防災(ぼうさい)は日頃(ひごろ)の備(そな)え・心(こころ)がけ~必(かなら)ず来(く)る!その日(ひ)のために~

0
4146

1 今から9年前、2011年3月11日(金)14:46、マグニチュード9.0、最大震度7の東日本大震災が発生しました。地震に続けて大きな津波が発生し、場所によっては、波の高さ15メートル以上で、建物の5階まで浸水した地域もあったのです。この巨大津波により、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部が壊滅的な被害を受け、地震の揺れ、液状化現象、地盤沈下、ダムの決壊、火災により、各種インフラが寸断されました。死者・行方不明者は、あわせて約2万2,000人、全壊家屋約12万棟にまでのぼっています。最大で約47万人が避難し、現在も多くの方が仮設住宅等での厳しい生活を強いられています。

今(いま)、東日本(ひがしにほん)大震災(だいしんさい)を上回(うわまわ)る被害(ひがい)をもたらす、南海(なんかい)トラフ(とらふ)地震(じしん)の発生が心配(しんぱい)されています。静岡県(しずおかけん)から九州(きゅうしゅう)地方(ちほう)にかけての海底(かいてい)には、陸側(りくがわ)のプレート(プレート)の下に海側(うみがわ)のプレートが沈(しず)みこんだ、溝(みぞ)のような地形(ちけい)「南海(なんかい)トラフ(とらふ)」があり、このプレートのひずみが限界(げんかい)に達(たっ)すると一気(いっき)にずれ動(うご)き、巨大(きょだい)地震(じしん)が発生(はっせい)するというものです。

南海(なんかい)トラフ(とらふ)では、今(こん)後(ご)30年(ねん)以内(いない)に70~80%の確率(かくりつ)でマグニチュード(まぐにちゅーど)8~9の巨大(きょだい)地震(じしん)が発生(はっせい)すると言わ(いわ)れ、沿岸部(えんがんぶ)では、最大(さいだい)で30メートル(めーとる)を超(こ)える巨大(きょだい)津波(つなみ)が押(お)し寄(よ)せ、最悪(さいあく)の場合(ばあい)、死者(ししゃ)は32万人(まんにん)以上(いじょう)にも達(たっ)すると予想(よそう)されています。地震(じしん)大国(たいこく)とよばれる日本(にほん)では、ほぼ毎日(まいにち)のようにマグニチュード(まぐにちゅーど)4以下(いか)の小規模(しょうきぼ)な地震(じしん)が起きて(お)おり、この四半(しはん)世紀(せいき)(25年間(ねんかん))の間(あいだ)だけでも、阪神(はんしん)淡路(あわじ)大震災(だいしんさい)(1995年(ねん)、マグニチュード(まぐにちゅーど)7.3)、熊本(くまもと)地震(じしん)(2016年(ねん)、マグニチュード(まぐにちゅーど)7.3)、そして2018年、北海道(ほっかいどう)における地震(じしん)(北海道胆振(ほっかいどういぶり)東部(とうぶ)地震(じしん)、マグニチュード(まぐにちゅーど)6.7)といった大地震(だいじしん)が発生(はっせい)しているのです。このような過去(かこ)の発生(はっせい)状況(じょうきょう)からも、日本(にほん)に暮らす(く)私たち(わたし)にとって、地震(じしん)は決(けっ)して他人事(たにんごと)ではないのです。巨大(きょだい)地震(じしん)は、「いつか来る(く)かもしれない」のではなく、「いつか必ず(かなら)来る(く)」のです。巨大(きょだい)地震(じしん)を想定(そうてい)した対策(たいさく)を行(おこな)っていくことが被害を最小限(さいしょうげん)にとどめるためにもとても重要(じゅうよう)です。

2 まず、日頃(ひごろ)から地震(じしん)に対(たい)してどのような準備(じゅんび)をしておくべきかについてお話(はな)したいと思(おも)います。具体的(ぐたいてき)な準備は次のとおりです。

○  いざという時(とき)、いつでも持ち出(もちだ)せるように非常(ひじょう)持ち出し(もちだし)品(ひん)を準備しておきましょう。その中身(なかみ)についても、いつでも使えるように点検(てんけん)しておきましょう。避難(ひなん)する時の持ち物は、手袋(てぶくろ)、マスク(ますく)、ヘルメット(へるめっと)、食品(しょくひん)、水(みず)、懐中(かいちゅう)電灯(でんとう)、ラジオ(らじお)、医薬(いやく)品(ひん)等、最小限(さいしょうげん)にし、リュックサック(りゅっくさっく)に入る(はい)程度(ていど)にし、両手(りょうて)が自由(じゆう)に使(つか)えるようにしておきましょう。

○ あなたが住(す)んでいる地域(ちいき)の避難(ひなん)場所(ばしょ)、避難(ひなん)経路(けいろ)を実際(じっさい)に歩(ある)いて確認(かくにん)しましょう。避難(ひなん)場所(ばしょ)がわからない人(ひと)は、市(し)役所(やくしょ)に尋ねて(たず)ください。

○ 大規模な災害で家族が離れ離れになった時の連絡方法、落ち合う場所(ばしょ)はどこにするのかなどについて、事前(じぜん)に家庭(かてい)で話(はな)し合(あ)っておきましょう。電話(でんわ)等(など)を利用(りよう)する安否(あんぴ)確認(かくにん)の方法(ほうほう)が二(ふた)つあり、一つ目は、NTTが提供(ていきょう)する災害用(さいがいよう)伝言(でんごん)ダイヤル(だいやる)です。被災地(ひさいち)の方(かた)が加入(かにゅう)電話(でんわ)や携(けい)帯電話(たいでんわ)などから「171」をダイヤル(だいやる)し、メッセージ(めっせーじ)を録音(ろくおん)すると、全国(ぜんこく)からそのメッセージ(めっせーじ)を確認(かくにん)することができます。

二つ目は、携帯(けいたい)電話事(でんわじ)業者(ぎょうしゃ)が提(てい)供(きょう)する災害用(さいがいよう)伝言板(でんごんいた)です。携帯(けいたい)電話(でんわ)などのインターネット(いんたーねっと)を使って、被災地(ひさいち)の方(かた)が文字(もじ)で伝言(でんごん)を登(とう)録(ろく)すると、全国(ぜんこく)からその伝言(でんごん)を確認(かくにん)できます。

○ 倒(たお)れるおそれのある家具(かぐ)や冷蔵庫(れいぞうこ)は、固定(こてい)しておきましょう。

○ 避難(ひなん)経路(けいろ)を確保(かくほ)するため、家具(かぐ)等(など)の場所(ばしょ)を見直(みなお)しましょう。

○ 枕元(まくらもと)には割(わ)れたガラス(がらす)でけがをしないための履き物(はきもの)や、停電(ていでん)の時でも行動(こうどう)できるよう懐中(かいちゅう)電灯(でんとう)を用意(ようい)しておきましょう。

○  あなたの町(まち)で行われる防災(ぼうさい)訓練(くんれん)に積極的(せっきょくてき)に参加(さんか)して、避難(ひなん)の方法(ほうほう)、応急(おうきゅう)救護(きゅうご)の方法(ほうほう)を身(み)につけましょう。

3 次に「地震(じしん)が発生(はっせい)したときの取(と)るべき行動(こうどう)」についてお話します。

○  まず、机(つくえ)やテーブル(てーぶる)などの丈夫(じょうぶ)な家具(かぐ)の下(した)に身(み)を隠(かく)し、揺れ(ゆ)が収(おさ)まるまで様子(ようす)をみましょう。あわてて外(そと)に飛び出す(とびだす)と落(お)ちてきた瓦(かわら)やガラス(がらす)などの破片(はへん)に当(あ)たり、思(おも)わぬ怪我(けが)をすることがあります。

○ 地震(じしん)で怖い(こわ)のは火災(かさい)です。地震(じしん)と思(おも)ったら、まず安全(あんぜん)な場所(ばしょ)に身(み)を隠し(かく)、揺(ゆ)れが収(おさ)まった後(あと)にすばやく確実(かくじつ)に火(ひ)を消(け)しましょう。

○ 避難(ひなん)するときは、火災(かさい)防止(ぼうし)のため、ガス(がす)の元栓(もとせん)を閉(し)め、電気(でんき)のブレーカー(ぶれーかー)も落(お)としましょう。隣(となり)近所(きんじょ)で助け合い(たすけあい)、広く(ひろ)安全(あんぜん)な道路(どうろ)を選(えら)んで避難(ひなん)しましょう。

○ 海岸(かいがん)付近(ふきん)で強(つよ)い地震(じしん)の揺れ(ゆ)を感(かん)じた場合(ばあい)は、津波(つなみ)に備(そな)えてより高(たか)いところへ避難(ひなん)してください。東日本(ひがしにほん)大震災(だいしんさい)の被災地(ひさいち)での方言(ほうげん)で「津波(つなみ)てんでんこ」という言葉(ことば)があります。「てんでんこ」とは、「各自(かくじ)で」という意味(いみ)です。つまり、津波(つなみ)が来たら(き)、いや、来る(く)前(まえ)に各自(かくじ)で高い(たか)所(ところ)に逃げる(に)ということです。各自(かくじ)、てんでんばらばらで、一人(ひとり)で高台(たかだい)へ逃げて(に)ください。津波(つなみ)注意報(ちゅういほう)は、20センチ(せんち)の高さ(たか )から発令(はつれい)されますが、20センチ(せんち)の津波(つなみ)でも人(ひと)は足(あし)を取られて(と)転倒(てんとう)し、波(なみ)に飲まれる(の)おそれがあります。高い(たか)所(ところ)へ逃げて(に)ください。

○ 車(くるま)を運転中(うんてんちゅう)の人(ひと)は、地震(じしん)と思(おも)ったら、できるだけ安全(あんぜん)な方法(ほうほう)で車(くるま)を道路(どうろ)の左側(ひだりがわ)に寄せて(よ)止めましょう(やめましょう)。津波(つなみ)の時(とき)に車(くるま)で避難(ひなん)しようとすると、道路(どうろ)が壊れて(こわ)いたり、また、渋滞(じゅうたい)に巻き込まれて(まきこ)危険(きけん)になることがあります。車(くるま)を捨(す)てて、走って(はし)高い(たか)所(ところ)へ逃げる(に)決断(けつだん)をしてください。

○ 車両(しゃりょう)を置いて(お)避難(ひなん)するときは、できるだけ道路外(どうろがい)の場所(ばしょ)に移動(いどう)して避難(ひなん)しましょう。やむを得(え)ず道(どう)路上(ろじょう)に置いて(おいて)避難(ひなん)するときは、車両(しゃりょう)を道路(どうろ)の左側(ひだりがわ)に寄せて(よせて)駐車(ちゅうしゃ)し、エンジン(えんじん)を切り(き)、エンジンキー(えんじんきー)は付けた(つ)ままとするか運転席(うんてんせき)のわかりやすい場所(ばしょ)に置いて(お)、窓(まど)を閉め(し)、ドアロック(どあろっく)はしないで避難(ひなん)するようにしましょう。

4 最後(さいご)にお知らせ(し)です。

平(ひら)針(ばり)運転(うんてん)免許(めんきょ)試験場(しけんじょう)では、建て替え(た か )工事(こうじ)のため、来場者用(らいじょうしゃよう)の駐車場(ちゅうしゃじょう)が利用(りよう)できません。試験場(しけんじょう)へお越し(こ)の際(さい)は、公共(こうきょう)交通(こうつう)機関(きかん)のご利用(りよう)をお願い(ねが)します。

 今日(きょう)も最後(さいご)まで聞いて(き)くださってありがとうございました。今日(きょう)の放送(ほうそう)に関する(かん)御意見(ごいけん)、御質問(ごしつもん)がある場合(ばあい)は、いつものようにチャット(ちゃっと)、メール(めーる)、掲示板(けいじばん)等(など)でお知らせ(し)ください。